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● 森をたずねて2006 〜第一章〜

「杉の日本一の乾燥技術を持つ製材工場を見に行こう!」に賛同し、集まっていただいた方は、材木店さん、建設会社さん、大工さん、そして雑誌社の方…建築のプロを中心とした総勢11名での宮崎ツアーをご報告レポートします。

● 杉の構造材の製材工場 「都城木材」を見学

木童がお付き合いを始めた8年前、都城木材の乾燥機は8機でした。県レベルでもこれより少ない数の乾燥機しか持っていない所もあることを思えば、当時でもかなり積極的な取り組みでした。しかし、現在の都城木材の乾燥機は全部で25機もあります。

その理由は…? ここでは、乾燥機に入れる材は、同じサイズのもので揃えます。それは色々なサイズのものを一緒に入れてしまうと、乾燥の具合にばらつきが出てしまうからです。大きなサイズに合わせた乾燥工程だと、小さなサイズの材はバリバリに割れて使い物にならなくなってしまいますし、逆に小さな材に合わせた乾燥工程では、大きな材の乾燥は不十分に終わってしまいます。同じ木柄のもの同士を一緒に乾燥機に入れるため、必然的に増えたのだと社長は笑って話しますが、なかなか真似のできない心意気です。

大小様々なサイズの乾燥機をうまく活用して、できる限りの納期短縮、そして標準規格の材はある程度の在庫を持つよう努力しています。

木童「森をたずねて2006〜第一章〜」≪材が干割れしないよう水をかけながら天日干し。≫ 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」≪乾燥機。3平方メートル8平方メートル入ります。≫ 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」
木童「森をたずねて2006〜第一章〜」≪整頓された桟積み。≫ 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」≪元は広葉樹を扱う工場だった都城木材。これはスコップの持ち手部分。材は樫。≫  

● 宮崎県木材利用技術センターにて 有馬孝禮所長のお話を聞く

木童「森をたずねて2006〜第一章〜」杉の研究者として有名な有馬先生のお話を聞くことができました。今回のツアーの最大の目的である「杉を横架材(桁や梁)に使えるか」という疑問に対して「松と同じ方法ではダメなだけで、杉でも十分使える」という結論に対して詳しい説明がなされ、参加された方々もそれぞれに納得された様子。

ある建設会社の社長さんは、「米松から国産材にシフトしようとしていた時にこの話を聞けて良かった。自信を持って薦められる」と話してくださいました。

木童「森をたずねて2006〜第一章〜」 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」
全部で6棟ある施設の建物は全て杉の構造材を使い、それぞれ異なる工法で建てている。建物がすべての説明を補ってくれる仕組み。

● プレカット工場「ランバー宮崎」を見学

伝統工法(手刻み)のような長いホゾと込み栓で組んでいく加工を、標準仕様でプレカットできる工場。また、約20種の金物工法にも対応できる。その他にも、曲がりのある梁材や梁と垂木または登り梁と棟木などの斜めに掛かる部分の機械加工も可能。機械力・技術力の高さに一同感心。設計士さんの描く難しい図面に対しても、きちんと対応してくれる。その断らない姿勢は安心して仕事をお願い出来る。

木童「森をたずねて2006〜第一章〜」 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」
黄色の帽子がCAD担当者の森実さん。若い技術者が多いのも特長。

● 照葉樹林と日本一の吊り橋

木童「森をたずねて2006〜第一章〜」≪周囲に見えるのはタブノキ・シイノキ・シラカシ・イチイカシ etc…≫世界遺産の候補にもなった綾の照葉樹林。照葉樹とは、暖かい環境に適合していると言われ、年間を通じて常緑の葉、太陽の光で輝く葉が特長。しかし光が強くなりすぎると、かえって有害になるため、葉緑体を守るために、ある程度の光を表面ではね返している。中でも他を圧倒して光り輝いて見える木が"イチイカシ"。その姿は照葉樹の森の王様とも言われている。今回のツアーではあいにくの天気でその姿を見ることはできませんでしたが、深い緑の中に浮かぶもやのかかった吊り橋は、とても幻想的な風景でした。

● 綾城を見学

綾城内に入ってまず目を引くのは栂の柱750mm角です。一般住宅では105もしくは120mm角が一般的ですから、ざっと6〜7倍の材積のものがどどんと何本も豪快に使われています。昔の権威の象徴である城にも使われていたというだけあって、今でも栂は高級材として認知されています。ここ綾城だけでなく、松本城や熊本城などにも使われています。

木童「森をたずねて2006〜第一章〜」 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」 木童「森をたずねて2006〜第一章〜」

● まとめ

「石油やその他の鉱物資源は使えば使うだけ減ってしまう。そしていつかなくなってしまう消費資源。対して木材は、植林をして人間の手で作り出すことができる生産資源。また、建築物となった木材は、そこで呼吸し、心地良い場所を作る。壊す時にも廃棄物にはならない。木を切り出した山に再び植林をすれば、また新たな循環を呼び、生産を生む。空気もきれいになる。本当の意味でのエコリサイクルができるんだよ」 という有馬先生の言葉が印象的でした。その通り、宮崎県の施設は、そのほとんどが杉材で造られており、杉の可能性をおおいに私たちにアピールしてくれています。国内にある豊富な森林資源を、国内で有効に活用していくこと…木童は「心を込めて植えた木を」、「"熱い想い"と"高い技術力"で作った柱や梁材を」届けたいと考えています。

Special thanks !
有馬先生、宮崎県木材利用技術センターの皆さん 五十嵐社長、戸高部長、都城木材の皆さん 持長さん、森実さん、那須さん、ランバー宮崎の皆さん そして宮崎県のすべての方々に、

ありがとうございました。